【おっぱい百話】~おっぱいとトランスジェンダー

実は先日の大学での講義は「ダイバーシティ」がもともとのテーマ。
LGBTに関しても最も進んでる大学とのことで、
トランスジェンダーの学生に関して、女子大から相談を受けているそう。
 
LGBTという言葉を最近よく聞くと思いますが、
レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーを指す言葉です。
トランスジェンダーは、男性として生まれた女性(またはその逆)を指します。
 
そういえば、今年、男性として生まれたトランスジェンダー女性が
母乳を与えることができたという、初の科学的な臨床研究結果 の
ニュースがあったなあと思って、掘り出してみました。
 
見た目は女性でも、もともと体は男性だった彼女が、
ホルモン投与と搾乳機の使用で、母乳が出るようになり、
6週間もその母乳のみで育てたとのこと。
 
正直、多くの人が驚くニュースだと思います。
とはいえ、母乳が出る仕組みは、ホルモンと頻回授乳。
と考えれば、確かにそのセオリー通り!
 
ただし、 乳の栄養価や子どもの安全面については、さらなる研究が必要だと専門家は指摘しているそうです。
 
 
以下引用
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【2月16日 AFP】乳の分泌を誘発するホルモンを使ってトランスジェンダー女性が授乳できるようになったとする初の科学的な臨床研究結果が、医学誌に発表された。ただ、乳の栄養価や子どもの安全面については、さらなる研究が必要だと専門家は指摘している。

 医学専門誌「トランスジェンダー・ヘルス(Transgender Health)」に掲載されたのは、男性として生まれた30歳のトランスジェンダー女性に関する研究報告。米マウントサイナイ・アイカーン医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai)の研究者らが主導した。

 報告によると、このトランスジェンダー女性は6年間にわたって女性化ホルモン療法を受けていたが、性器や胸の手術は受けていなかった。パートナーの女性が妊娠したものの授乳する意思を示さなかったため、「生まれてくる乳児の最初の栄養源となる役割を自分が担いたいと希望し」医学的アドバイスを求めたという。

 このトランスジェンダー女性は、卵胞ホルモンのエストラジオールや黄体ホルモンのプロゲステロンなど、乳の分泌を誘発するホルモンを使った療法を継続する一方、搾乳器を1日3回、5分ずつ両胸に使用するよう指導された。

 さらに、乳の分泌量を増やす用途外の効果を求めて吐き気止めの薬ドンペリドンをカナダから取り寄せ、使用した。ドンペリドンは、心不全を誘発する懸念を米食品医薬品局(FDAが指摘し米国では認可されていない。授乳される乳児へのリスクも分かっていない。

 研究報告によると、ホルモン療法の開始から3か月半後にパートナーが出産し、このトランスジェンダー女性は6週間にわたって自分の乳のみを乳児に与えた。その後、「乳の分泌量が足りないとの懸念」から栄養補助として粉ミルクを併用するようになった。乳児の成長や摂食機能は全く正常だったという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN

http://www.afpbb.com/articles/-/3162732

【おっぱい百話】おっぱいと母乳率

先週の母の日に先立ち、ユニセフで
世界の母乳育児の状況を調査したそうです。
ちょっと面白いデータだったのでご紹介します。
 
 
あくまで「一度も母乳育児をしたことがない」人のデータですが 
要は、貧しい国ほど母乳率が高く、裕福な国の方が低い。
また、貧しい国ほど長期間母乳を飲み、裕福な国では期間が短いなど
いろいろと興味深いデータが載っています。
 
さらに、それぞれの国の所得別でみると、
貧しい国では、貧しい母親が母乳育児をする、
豊かな国では、裕福な母親が母乳育児をする、
という傾向なのだそうです。
 
確かに、先進国の中で母乳率が低いと言われるフランスでも
大学の教授に「私の周りでは、皆母乳よ」と伺ったことがあります
知識の有無が母乳を選ぶかどうかに影響しているのかもしれません
 
とはいえ、母乳は、考えすぎると逆にスムーズに行かない傾向があるし、
産んだ施設の方針に影響されるところが大きいので難しいところですが・・
いずれにしろ、なんだかいろいろ考えさせられるデータです。

【おっぱい百話】おっぱいとセルフケア

モーブラしゃんとの開発でもお世話になった、
漫画家のさかいひろこさんから郵便が届きました。
乳がんの浮腫のセルフケアシートとチェックポイントのしおり。
 
彼女は「乳がん仲間の小さなおしゃべり会momo♪」の代表でもあり、
乳がんのぴあカウンセリングにも取り組まれています。
今回助成金を取得して、お風呂でも使えるセルフケアシートを作られました。
 
乳がん術後には、さまざまなマイナートラブルがあるのですが
リンパ浮腫(むくみ)も、その一つ。
その予防や治療には、自分で行うセルフケアが大きな役割を果たすのだそうです。
 
自分自身でからだに触れ、ケアすること、
乳がん後に限らず、思春期、授乳中、それ以外の時も、
自分の胸に対して意識を向け、大切にすることは、
病気の早期発見や、予防にもつながると思います。
 
さかいさんは、モーブラを、乳がん後のブラとしてもとてもいい!
最初におっしゃって下さった方のお一人。
乳がんも授乳も、女性なら誰でも起こりうるおっぱいのシーン。
そんな話をよく彼女としています。

【おっぱい百話】おっぱいと助産師

国際助産師の日にからめて、助産師さんの話を。
 
病院にいると、助産師さんの存在はあまりわからないことが多いもので、
一人目の出産から助産院(ここは当然に助産師さんが運営)に通っていた私も、
トラブルで病院に送られた後は、部屋に来てくださる看護師さんの中に
助産師さんがいたことに、だいぶ長い間気が付いていませんでした。
 
日本には、母乳のことを勉強した助産師さんがいる。
これは、とてもありがたいことです。
 
母乳は病気ではないので、本来、医学部では学ばないと聞きます。
トラブルに対処するのはもちろん医学だと思いますが、
本来普通に出るはずの母乳が出るようになるサポートがあれば
トラブル自体も減るでしょう。
 
そんな中、母乳に関しても知識を持った助産師さんの存在は大きいです。
乳房ケアも、いろんな流派があり、どれがいいとは一概に言えませんが
私は、いちばんありがたいのは「気持ちのサポート」だと思います。
 
モーハウスはありがたいことに、流派を越えて評価いただいているのですが、
以前、オケタニ式を広めてきた先生とお食事しつつお話したときも
母子ケアの代表の先生の助産院でおしゃべりしたときも、
自分の所に定期的に通わないと母乳が出ないよ、なんてことはおっしゃらない。
 
適切なブラを選び、赤ちゃんがほしがったらいつでも母乳が飲ませることが
母乳の出に関しても、トラブルを起こさないことに関しても、
良いことだとおっしゃるんですね
 
でも、彼女たちの所に行って、乳房を見てもらって何がいいのかと言えば
定期的に、からだに触れ、母乳や気持ちの状況を確認でき、励ましてもらえ、
適切なコースを教えてくれるコーチとなってくれるからだと思います。
 
私も、母乳不足で悩んだ時に、助産師さんに相談に行きました。
もともとは、とにかくミルクを足さないでがんばっていた私でしたが
母乳不足と寝ない子どもに悩んでいる私の状況を見ると、
ミルクを少しだけ足すようにアドバイスをくれました。
実際、ミルクをほんの少し足すことで、母乳は順調に出るようになりました。
 
でも、今考えると、その効果は、マッサージよりも、ミルクを足すことよりも
専門家である助産師さんに相談でき、
指針を示してもらった安心感からだったようにも思います。
 
私もモーハウスをスタートした当初、たくさんの助産師さんに応援していただいたし、
助産師さんと一緒にイベントを開いて、
その中では助産師さんの存在を皆に知ってもらいたいと活動をしてきた時期もありました。
 
地元茨城では、看護協会助産師職能、助産師会とモーハウスの三者共催でのイベントを
もう15年近く、毎年開いています。
 
最近では自社主催でそうしたイベントを開くことは減りましたが、
今もたくさんの助産師の友人がいますし、
助産師さんの存在を知ることで、多くの人が楽になれるのではと思っています。
 
私も、助産師さんに「母乳は楽よ」と言っていただいたことが
今の活動の支えになっているように思います。
 
おっぱいの存在は、思春期から授乳、場合によっては病気など、さまざまなフェイズがあります。
助産師さんは、産後に限らず、多くの場面で女性に寄り添ってくれる存在です。
どんなことも、プロの力に上手に頼って、お得に生活したいですね。

【おっぱい百話】子連れ登庁?!

先週、こっちも書きたい、と思っていた話題が、
アメリカの上院議員さんが、1歳以下の赤ちゃん連れで
議会に来たり授乳することが満場一致でOKとなり、
生後10日の赤ちゃん連れで登庁したというニュース。
 
この方は、イリノイ州の民主党上院議員、タミー・ダックワースさん。
彼女は、2番目の子どもにあたる メイルちゃんを連れて登庁しました。
 
実は、この方、50歳ということ、赤ちゃんも生後10日ということで、
そちらにびっくりした方も多いかもしれませんが、
議会の方も、満場一致で、採択というのもすごいことです。
 
こんなことすらできるなら、と、勇気が出る話ですね。
ゴールデンウィーク後半は、子連れで出かけてみるいいチャンスかもしれません。
 
以下、共同通信のサイトより引用

【ワシントン共同】米上院は、議員が乳児を連れて議場に入ることを認めた。規則改正案が18日に満場一致で可決され、米メディアは「歴史的」と報じている。母親と議員の仕事を両立させたいとのダックワース上院議員(50)=民主党=の思いから実現した。下院は、子連れ出席を以前から認めている。

 ダックワース氏は今月、次女を産み、米国で初めて在職中に出産した上院議員となった。イラク戦争で両足を失った元軍人としても知られるダックワース氏は19日、ピンクの帽子をかぶった次女と共に議場に姿を見せた。

 規則改正を巡っては、「議場に乳児が10人いたらどうなる」と困惑の声もあった。

【おっぱい百話】おっぱいと旅行

モーハウスでは、青山・つくばとも、子連れで働くスタッフがたくさんいます。
(ちなみに、スタッフ募集中だそうです)
このスタッフたちに共通するのは、子連れ旅行が得意、ということ。
 
あるスタッフは
「生後2か月までは家に引きこもってたんですが、子連れで働き始めたら
出かけるのがうまくなって、調子に乗って昨日までグアムに行ってました」。
ちなみに、6か月だそうです。
 
ララガーデンショップの店長に、子連れ旅行のコツを聞いてみました。
 
Q.どこのベビーカーがおすすめ?
A.ベビーカーはその分荷物が増えるので、抱っこひもを使いますね。
ぴったり体がくっついてると、子どもも落ち着いて、ぐずることが少ないです。
 
Q.持っていくものを教えて。
A.おむつとウエットティッシュとビニール袋と着替えと・・。それくらいかな?
絶対欠かせないのは授乳服。シワにならない軽いので。
 
G.電車や飛行機で、赤ちゃんを泣き止ませるのに役立つものは?
A.おっぱいしか思いつかないですね。おもちゃや絵本はあってもいいけど。
授乳服でだいたい足りますよね。
 
Q.授乳服の宣伝みたいになるから、他のものも教えて!
A.えーー・・・、思いつかないなあ。
ipadとか、タブレットで動画を見せるとか?
 
Q.なるほど、でも携帯見せるのは、最後の手段だから、あまり長くは使わせたくないよね。
他には?
A.あ、だっこできるように、バッグはリュックタイプを使うといいですね。
 
Q.ありがとう!
 
ぜひご参考に!良いゴールデンウィークをお過ごしください!

【おっぱい百話】おっぱいと離乳食

青山ショップでの母乳相談、4月は暖かくなったこともあって、満員でした。

離乳食を話題にしたのですが、このテーマ、皆さん興味おありなんだなあというのと

楽にするコツ、皆さん大納得だったので、ここでご紹介します。

 

皆さん、離乳食はたいへんそうだと思っていますよね。

ラクしたいですか? したいですよね。

 

私の経験をお話すると、長女の時は、マニュアル通りおかゆなど作って

でも全然食べず、いらいらする日々でした。

せっかく作っても食べないと腹も立つし。

 

そこで、次女の時は「いずれ食べるんだからいいや」と、欲しがっているのに

母乳だけで何も食べさせないでいたら、なんと最初に食べたのは手巻き寿司でした。

お皿に置いてあるのを取って食べてしまったのです。

 

びっくりしましたが、全然お腹も壊さないし、ちゃんと食べられたので、

これでもう離乳食終了!?ということに。

これは極端な例ですが、実は理にかなっていたのです。

 

じつは、市販の離乳食(今は、補完食という言い方に変わってきています)は

ほ乳瓶で育った子を想定しているもの。

ほ乳瓶のニプルはやわらかいので、少しずつかむ練習をするために、

もぐもぐ期、かみかみ期などステップを踏んでいきます。

 

でも、母乳を飲むためには、あごの力がかなり必要です。

結果として、固形物をかむ力は、自然についているのです。

ですから、ステップを踏む必要はないというわけです。

 

たとえば、英語では

ミルクは「drink milk(ミルクを飲む)」に対して

母乳は「breastfeed(授乳する=胸を食べる)」と、「食べる」を使っています。

 

講座の話の中では

「実は母乳を飲みなれた赤ちゃんは、乳首と同じくらいの固さのものが好き」

だからおかゆは柔らかすぎて嫌う子も多い」という話もありました。

 

つまり、離乳食を一生懸命作るよりは、普段から母乳を飲ませて、

ほしがったら自分のごはんやお味噌汁の具を分けてあげる。

これで十分、というわけです。

 

ものすごくラクですよね。

わざわざ作るものじゃないので、食べなくても腹も立ちません。

 

おっぱいは離乳の練習になる、というお話でした。

実は「離乳食」という言い方も気を付ける必要があります。

これは次回お話します。

【おっぱい百話】ニキ・ド・サンファルと授乳服

かつてVogueのモデルもつとめた、美しいアーティスト、ニキ・ド・サンファル。
昨年の国立新美術館での大回顧展、今年の韓国での開催もひかえて、
銀座のギャラリーで版画展が開かれ、レセプションに参加してきました。
 
世界的なアーティストですが、その多くの作品は実は日本にあります。
作品を集められたのは、私がかつて働いていた会社の社長の奥様。
ニキ美術館は、ご夫妻によって設立され、閉館後もご家族が作品を守ってこられました。
 
その挨拶の中で、実は授乳服にも触れてくださいました。
「昨年の回顧展に合わせて作るのに、ただのTシャツでは父に怒られると思い、
ニキだから授乳服ではどうか!と思い、財団に許可を得た。
これなら両親も満足すると思う」と。
 
 
性暴力を受けた過去もあり、初期の作品は、とても暗く破壊的なものだったニキですが。
友人の出産を機に、強く生命感あふれる女性を明るい作風で表現するようになります。
 
まさに、出産が生まれ変わるきっかけになったニキ。
私も、ニキに再び出会った時、とてもシンパシーを感じました。

【おっぱい百話】仕事と母乳両立は可能?

先日、京都でモーハウスサロンの方とお話をしていたら
「今年びっくりしたのは、来てくださっているお母さんたちが
皆さん、3月に卒乳されなかったことなんですよ」
という話が出ました。
 
私も、お仕事でお会いする方の中にも、最近
「実は夜はまだ母乳なんです」という方が増えている気がします。
 
以前こんな記事をAII ABOUT JAPAN という、専門家のサイトに書きました。
どうやってお仕事と母乳を両立していくか書いています。
ぜひ一度ご覧ください。
 
https://allabout.co.jp/gm/gc/387842/

【おっぱい百話】キルギスでの授乳写真

去年、キルギスの大統領のお嬢さんがSNSに投稿した
美しい授乳写真をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

比較的保守的なイスラム教の国であるキルギスで、
彼女はたった一人で、授乳を通して女性の権利を訴えてきました。

「女性の胸は、私たちの多くが思っているほど、卑猥で下品なものなんかじゃない。そもそも命をつなぐためのものであって、男の目を喜ばせるためのものではないはず。それなのに、いつの間にか本来の役割が忘れられてしまっている。胸をセクシャルな対象に意味をすげ替えたのは、社会なんじゃない?」
(写真・文章:クーリエ・ジャポンの記事より)

前回キルギスの方々が、モーハウス青山ショップに研修にいらしたのは、この投稿があって間もない時期のこと。
講義の後の意見交換で、彼女に授乳服を贈ろう、という話に。

それから一年近く。
授乳服を持ち帰って下さった皆さんは、粘り強く彼女にコンタクトを取り、
ようやくこの3月、手元に授乳服を届けることができました。
以下は、届けてくださったキルギス日本センター職員のメデルベクさんから
のメールです。

「アリヤ・シャギエワ氏(前キルギス大統領のご令嬢)は
モーハウスから授乳服をいただいたことにとても感謝していました。
彼女はモーハウスの光畑社長のお話にとても感銘を受け、
私たちにモーハウスの活動についてたくさんの質問をしてくれました。
私たちはモーハウスについて知っていること、そして日本文化や日本人、美しい都市など日本に関わることもお伝えしました。
アリヤ氏は芸術家であり、芸術や文化に関係する国際的なイベントに
参加したり、オープンフェアを企画したりしています。
彼女はいつか日本を訪れ、私たちが話した日本について
自分自身で見てみたいと話してくれました。」

キルギスで彼女が訴えたことは、今の日本の状況と変わりありません。
彼女が私たちの授乳服や活動に励まされたと言ってくれたことに、
私も、逆に励まされました。

このご縁で、彼女が日本を好きになってくれ、
いつか会って、女性の話、授乳の話ができればと思います。
そして、いつか、彼女の国でも、私たちの国でも、
もっと自由に授乳ができ、授乳が語れますように。