9月1日は防災の日でした。
今週は、そのせいか、防災に関するテレビ番組も多いですね。
この機会に、と家庭の備蓄品を確認された方も多いことと思います。
私の手元にも、「災害時の乳児栄養」(日本ラクテーション・コンサルタント協会)など
関連の資料がここ数週間で届いたりしています。
東日本大震災後、母乳育児にかかわる多くの方がおっしゃっているのが
「母乳育児は防災活動である」ということ。
東日本大震災の際に、交通が分断され、水や粉ミルクがなかなか
手に入らない地域が多くありました。
以前、ある学会で、粉ミルクと母乳のそれぞれの
備蓄物品の比較をしていましたので、以下再録ですが、ご紹介します。
たとえば粉ミルク育ちの赤ちゃんの場合は、
・水(ミネラルウォーターではなく軟水)
・粉ミルク
・カセットコンロとボンベ
・紙コップ(哺乳瓶は消毒できないことが多いため)
・まぜるための割り箸等
・おむつとおしりふき
・・・etc.
これらを少なくと1週間分、というと、とてもリュックには収まりきらない量ですよね。
大きな段ボール、というようなイメージでしょうか。
一方で母乳の場合は?
・おむつとおしりふき
・・それ以外あまり思いつきませんね。
こちらはボストンバッグ1つくらいのイメージでしょうか。
備蓄も楽ですし、避難所でも管理しやすいボリュームです。
そして何と言っても、お母さんさえいれば赤ちゃんにお乳を与えられるのは
不安がいっぱいの震災のときでも、とても大きな安心要素になったようです。
避難所もあった私たちの市のお母さんたちを見ていて印象的だったのは
どことなく、母乳育児のお母さんの方が気持ちに余裕があるように感じられたこと。
ああ、母乳育児だと粉ミルクもコンロもいらないんだなーと、改めて感じました。
そして、母乳で育てることができる人が増えれば増えるほど、
何らかの事情で本当にミルクが必要な赤ちゃんに、効果的に水やコンロを
まわすこともできます。
防災ジャーナリストのあんどうりすさんも、
「母乳は最強防災グッズ」とおっしゃっています。
先日お会いしたお母さんは、ちょうど一人目の子育て中に東日本大震災があったそうです。
その時の不安な思いから、
「少しだけでもいいから、母乳育児を続けておこう、そうすればいざという時安心だから」
と、二人目のお子さんも、母乳育児を続けているそうです。